マネー・ボール マイケル・ルイス著
彼の著書フラッシュ・ボーイズからハマり著作を追いかけて読んでいます。
最近では、ウイルスやパンデミックに関連した新作を今年5月に出版されています。
原著で読む覚悟がないので、翻訳が待たれます。
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内容としては、ブッシュ政権の頃から感染症対策に関するガイドラインが、つくられていたにも関わらず、対応がとられてこなかったことなど人災ともいえる面があったことが語っています。
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肝心のマネーボールについてですが、もう10年以上も前にブラッド・ピットが主演で映画化されているのでご存じの方も多いと思います。
メジャーリーグ、オークランド・アスレチックスのゼネラル・マネージャーであるビリー・ビーンを主役にしたノンフィクション小説です。
ニューヨーク・ヤンキースの年俸総額の1/3ながら、いかに毎年連続プレーオフ進出を果たす結果を上げてきたか語られます。
手法としては、セイバーメトリクスと呼ばれる野球の統計学的分析によりチームを作り上げていくというもの。
これまで評価されてきた盗塁、外見による評価の見直し、出塁率重視による再評価などです。
また投資を行うものとして面白かったのが、球団運営が投資として行われ分析されていることです。
統計分析により過小評価されている選手を安く買い、選手の市場価値をシーズン中に高め過大評価されている中で高く売る。
まるでファンダメンタル分析、バリュー投資だなと感じました。
事実本書の中で、ウォーレン・バフェットの言葉をビリー・ビーンが引用しています。
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そして、セイバーメトリクスの活用はビリービーンの功績だが発案は彼ではないと紹介し、セイバーメトリクスの歴史も語られます。
元々、メジャーリーグの単なるファンが統計分析を用いて選手を再評価したのが始まりで、製薬会社の社員や宇宙工学者までが参加し、やがて会社になります。
解析した情報をメジャーリーグや野球ファンに売り込んだりするようにまでなり、ついには数千万ドルで大手メディアに買収されます。
ここまでセイバーメトリクスが発展した背景には、野球ファンの間で架空のチームを作り上げるシミュレーションゲームの愛好家が、かなり多数いたということがあります。
タモリ俱楽部に出てきそうな人たちですよね。私としては、オタクによるこういう狂った遊びが昔から大好きです。
本書では、メジャーリーグの財政問題の諮問委員会が、各球団での資金格差を議題に取り上げるなかで、アスレチックスの快進撃に対して興味を持つ場面があります。
この諮問委員会の委員になんとFRBの元議長であるボルカー議長がいます。
日本で白川日銀元総裁が、野球について議論しているのが想像できません。
また金融派生商品の分析者が、野球選手の分析をするために球団に雇われ足りもしています。
こういった環境の中で、趣味から会社を興したり第二の人生を歩めるのがアメリカの力強さなのでしょうね。
私もFIRE後の人生を今からでも計画しようと思います。
駄文にお付き合い頂きありがとうございます。